MLBのポストシーズンは、日本のクライマックスシリーズ(CS)や日本シリーズと似ているようで、仕組みがかなり違います。出場チーム数、シード順、1回戦が3試合制であることなど、初めて見ると戸惑う点が多いでしょう。この記事では、MLBが公式に説明している形式(2026年9月1日付の公式解説に基づく)を、勝ち上がりの順に整理します。
先に結論|12球団が出場し、上位2チームは1回戦が免除される
MLBのポストシーズンには、アメリカン・リーグとナショナル・リーグから6チームずつ、合計12チームが出場します。6チームの内訳は、地区優勝の3チームと、ワイルドカードの3チームです。各リーグの上位2シードは、最初のラウンドが免除されます。勝ち上がりは、ワイルドカードシリーズ、地区シリーズ、リーグ優勝決定シリーズ、ワールドシリーズの順です。
出場チームとシード順の決まり方
各リーグの6チームには、1から6までのシード順がつきます。決め方の基本は次のとおりです。
- 第1〜第3シード:地区優勝の3チームです。リーグ内で最も勝率の高いチームが第1シードとなり、残りの2チームが成績順に並びます。
- 第4〜第6シード:ワイルドカードの3チームです。地区優勝以外のチームのうち、成績の良い順に3チームが選ばれます。
- 地区優勝のチームは、成績にかかわらず、ワイルドカードのチームより上のシードになります。
つまり、地区優勝をすると、ワイルドカードの3チームより必ず上位のシードを手にできます。シーズンの終盤に、地区優勝を狙う争いが注目される理由は、ここにあります。リーグや地区の仕組みは、MLBの30球団と地区の見方で確認できます。
ラウンドごとの形式
| ラウンド | 形式 | 対戦の組み合わせ・ポイント |
|---|---|---|
| ワイルドカードシリーズ | 3試合制(先に2勝) | 第3シード対第6シード、第4シード対第5シード。上位シードの球場で開催 |
| 地区シリーズ | 5試合制(先に3勝) | 第1シードは、第4・第5シードの勝者と対戦。第2シードは、第3・第6シードの勝者と対戦 |
| リーグ優勝決定シリーズ | 7試合制(先に4勝) | 両リーグの代表を決める |
| ワールドシリーズ | 7試合制(先に4勝) | 両リーグの優勝チームが対戦。ホーム権は、レギュラーシーズンの成績が良いほう |
2022年に現在の12チーム制になり、それまで1試合で決着していたワイルドカードゲームが、3試合制のシリーズに変わりました。上位シードが短期決戦でも有利になるよう設計されています。
ワイルドカードシリーズのポイント
ワイルドカードシリーズは、上位シードの球場で3試合が行われ、3日間の枠内で日程が組まれます。1試合で終わる従来の形に比べ、先発投手の層や、リリーフの使い方が重要になります。
地区シリーズのポイント
地区シリーズは5試合制で、ホームの順番は2-2-1の形です。上位シードのチームが、ホーム権を持ちます。
「再シード」がないことに注意
MLBでは、勝ち上がったあとに対戦相手を組み替える「再シード」は行われません。第1シードは第4・第5シードの勝者、第2シードは第3・第6シードの勝者と戦う形が固定されています。トーナメント表があらかじめ決まっているので、見通しが立てやすい点が特徴です。
日本のCS・日本シリーズとの違い
| 項目 | MLB | 日本(NPB) |
|---|---|---|
| 出場チーム数 | 12チーム(各リーグ6チーム) | リーグごとの上位チームがCSに出場(クライマックスシリーズの仕組みを参照) |
| 最終決戦 | ワールドシリーズ(7試合制) | 日本シリーズ(日本シリーズ2026の見方を参照) |
| 再シード | なし | CSの方式による |
| 地区 | 東・中・西の3地区制 | セ・リーグ、パ・リーグの2リーグ制 |
NPBとMLBの全体的な違いは、MLBとプロ野球(NPB)の違いで整理しています。ワールドシリーズの細かい形式は、ワールドシリーズの見方をご覧ください。
PR MLBの試合を映像で楽しみたいときは、ABEMA
などの配信サービスで視聴できる場合があります。提供内容や料金は変わることがあるため、公式サイトで最新の情報をご確認ください。
同率になったときの決め方と試合の特別ルール
シーズン終了時に成績が並んだ場合、以前は「第163試合」と呼ばれる決定戦が行われていましたが、現在は廃止されています。代わりに、直接対戦の成績を最優先として、機械的に順位を決めます。ワールドシリーズのホーム権の同率では、直接対戦、次に同地区内の成績、その次に他地区との成績の順で決められると、公式が説明しています。
- 延長戦:ポストシーズンでは、延長の各回の開始時に走者を置く「自動走者」は使われません。
- ビデオ判定(リプレー):ポストシーズンでは、監督が1試合に2回まで挑戦できます(レギュラーシーズンは1回)。
- ABSチャレンジ:2026年から導入されたストライク・ボールの判定への挑戦制度で、ポストシーズンでは、各チームが試合開始時に2回の挑戦権を持つと説明されています。
日本から観戦するための準備
MLBのポストシーズンは、時差の関係で、日本では早朝や深夜の放送になる試合が多くなります。見る方法や時差の目安は、MLBを日本で見る方法|NHK・配信サービスと時差の目安をご覧ください。日程や放送は年によって変わるため、見る前にMLBの公式の案内で確認してください。
よくある質問
ワイルドカードとは何ですか?
地区優勝を逃したチームのうち、成績の上位3チームに与えられる出場枠です。地区優勝でなくても、ポストシーズンに進める可能性があります。
地区優勝チームが、成績が悪くても有利になることはありますか?
あります。地区優勝のチームは、ワイルドカードのチームより成績が低くても、上位のシードになります。シードが上がると、第1ラウンドの免除や、ホーム開催の優位が得られます。
第1・第2シードは、すぐに地区シリーズから戦うのですか?
そのとおりです。上位2シードは、ワイルドカードシリーズを戦わずに、地区シリーズから登場します。この間、体を休めて準備ができる点が利点です。
観戦前に押さえておきたい見どころ
短期決戦のポストシーズンでは、レギュラーシーズンとは戦い方が変わります。先発投手を4〜5人そろえるより、エースを中心に登板間隔を詰めたり、救援投手の起用を早めたりする傾向があります。また、3試合制や5試合制のシリーズでは、1試合の重みが大きく、初戦の入り方が勝敗を左右します。
- 初戦の先発投手:シリーズの流れを決めるため、誰が投げるかに注目します。
- 救援陣の使い方:早い回から継投に入るかどうかが、勝負の分かれ目になります。
- 上位シードの休養:ワイルドカードシリーズを免除されたチームは、試合間隔があくため、調子の維持が課題になります。
- 下位シードの勢い:短期決戦では、勢いに乗ったチームが勝ち上がることもあります。
こうした点を知っておくと、同じ試合でも、采配の意図や展開の読み方が変わってきます。日本人選手が出場する年は、その選手の起用にも注目してください。
ポストシーズンの日程や出場チームは年ごとに異なります。この記事は仕組みの解説を目的としているため、特定の年の対戦カードや結果は扱っていません。最新の組み合わせは、MLBの公式サイトで確認してください。
まとめ
MLBのポストシーズンは、各リーグ6チーム、合計12チームが出場し、ワイルドカードシリーズ、地区シリーズ、リーグ優勝決定シリーズ、ワールドシリーズの順に進みます。上位2シードは第1ラウンドが免除され、再シードがないため、組み合わせはあらかじめ決まっています。ここで紹介した内容は2026年9月1日付の公式解説に基づくものです。制度は変更されることがあるので、観戦前にMLBの公式の案内で最新の情報を確認してください。


コメント