「プロA契約を締結」「B契約からA契約へ」。Jリーグの選手の契約ニュースで、こうした言葉を見かけたことがあるかもしれません。ところが、この「A・B・C契約」は、2026年2月1日から撤廃されています。新しい制度に変わったあとは、どうなっているのでしょうか。
この記事では、1999年から続いたプロA・B・C契約の仕組みと、2024年9月に決まった改定の内容を、Jリーグ公式の発表と報道で確認できる範囲で整理します。新人選手の加入についてはJリーグ新人選手の加入内定とは、外国籍選手の枠はJリーグの登録枠上限撤廃とホームグロウン制度とは?初心者向けで解説しています。
先に結論|契約制度の変更を5行で
- プロA・B・C契約は、1999年から続いた区分で、2026年2月1日(2026シーズン)に撤廃された。契約区分は「プロ」と「アマチュア」の2つになる
- プロ契約の初年度の基本報酬の上限は、年額1,200万円まで緩和された(税別)。支度金は上限500万円
- 2026/27シーズン(2026年7月1日)から、基本報酬の下限が新設された。J1は480万円、J2は360万円、J3は240万円(いずれも税別)
- 各クラブは、プロ選手を20名以上置く。18歳以下のプロ契約選手は、下限の例外にできる
- 改定は2024年9月24日の理事会で決まった。今後も運用状況に応じて見直される予定
そもそも、A・B・C契約とは
Jリーグでは、1999年から、プロ選手の契約を「プロA」「プロB」「プロC」の3つに分けてきました。契約の区分によって、プロ契約の初年度の報酬の上限などが違いました。
| 区分 | プロ初年度の基本報酬の上限(旧制度) |
|---|---|
| プロA | 年額670万円(税別) |
| プロB | 報道では460万円 |
| プロC | 年額460万円 |
旧制度では、A契約の初年度が年額670万円、C契約は年額460万円と報じられています。B契約の上限は、報道によって表記が異なり、460万円と書かれたものもありました。A契約になるための出場時間などの条件は、今回確認した資料には、具体的な記載がありません。
旧制度のその他のルール
- 変動報酬:B・C契約は、出場プレミアムが1試合47,620円。勝利給にも上限のルールがあった
- 支度金:独身・既婚、扶養の有無などによって、380〜500万円
- 基本報酬の下限:なし
- プロ選手の最少登録人数:J1は20人以上(うちプロA15人)、J2はプロA5人、J3は3人
2024年の改定|何が変わったか
Jリーグは2024年9月24日の理事会で、選手契約制度の大幅な改定を決めました。改定の目的として、プロ選手のステータス向上と、競争の促進が挙げられています。
| 項目 | 旧制度 | 新制度 |
|---|---|---|
| 登録区分 | プロA・B・C、アマチュア | プロ、アマチュア(2026シーズンから) |
| 初年度の基本報酬の上限 | C契約460万円、A契約初年度670万円 | 年額1,200万円(2026シーズンから) |
| 支度金 | 380〜500万円 | 上限500万円(全選手一律) |
| 基本報酬の下限 | なし | J1 480万円、J2 360万円、J3 240万円(2026/27シーズンから) |
| プロ選手の最少人数 | J1は20人以上など区分あり | 各クラブ20人以上(2026/27シーズンから) |
| 変動報酬 | B・Cは出場プレミアム1試合47,620円など | 同じクラブ内で基本報酬が同等の選手と同水準を上限に設定 |
変動報酬は、新制度では、同じクラブ内で基本報酬が同等の選手と同水準を上限に設定する、とされています。
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契約の用語を整理する
契約のニュースには、似た言葉がいくつか出てきます。今回の資料に登場した範囲で、意味を整理します。
- 基本報酬:契約で決まる、年額の基本的な報酬。新制度では、プロ初年度の上限と、カテゴリー別の下限が定められた
- 支度金:契約時に支払われるお金。旧制度では380〜500万円で、新制度では上限500万円
- 変動報酬:出場プレミアムや勝利給など、成績によって変わる報酬。新制度では、同じクラブ内で基本報酬が同等の選手と同水準を上限とする
- 出場プレミアム:試合に出場したときに支払われる報酬。旧制度のB・C契約では、1試合47,620円とされていた
これらは、制度の上限や下限を示した数字であって、個々の選手の実際の年俸を示すものではありません。クラブが公表していない金額は、報道でも推定として扱われます。
新人選手のニュースを読むときの注意
これからのシーズンでは、新人選手の加入発表で、金額が話題になる場面があるかもしれません。その場合も、報道される金額は、クラブが公式に公表したものではなく、取材に基づく推定であることが多い点に注意が必要です。
加入内定からプロ契約に至る流れは、Jリーグ新人選手の加入内定とはで整理しています。制度が変わったあとの運用は、これから事例が積み重なっていくため、最新のクラブ発表を確認するのが確実です。
また、基本報酬の下限は、2026/27シーズンから適用され、J1は480万円、J2は360万円、J3は240万円です。リーグのカテゴリーによって下限が異なる点は、クラブの規模や収入の違いを踏まえた設計だと考えられますが、資料には理由の説明は記載されていません。
改定の背景|なぜ変えたのか
報道によると、旧制度では、新人の年俸に上限を設けていたため、自由競争の欧州とのあいだに差が生じていました。その結果、高卒・大卒の選手がJクラブを経由せずに、海外に挑戦する一因にもなっていた、と指摘されています。
Jリーグは、選手のステータス向上、Jクラブの競争環境の促進、海外クラブとの選手獲得競争や、移籍金の獲得額の向上への寄与を目的に、制度改定が必要と判断しました。日本プロサッカー選手会(JPFA)の吉田麻也会長は、ABC契約の撤廃は、歴代の選手会長から引き継いだ悲願だと述べています。
観戦者への影響|ニュースの読み方
- 2026年シーズン以降は、「A契約を締結」といった表現は、制度上なくなる。「プロ契約」と書かれる
- 新人の入団発表では、初年度の報酬の上限が緩和されたことで、金額の推定が従来より大きくなる可能性がある。ただし、金額は報道ベースが多く、推定として読む
- 基本報酬の下限が設けられることで、プロ契約の最低ラインが、J1、J2、J3で示される
- 18歳以下の選手は下限の例外にできるため、高校年代の選手のプロ契約には、柔軟な設計がされている
よくある質問
Q. A契約とC契約の、いちばんの違いは何でしたか。
旧制度では、プロ初年度の基本報酬の上限が違い、A契約が670万円、C契約が460万円でした。A契約になるための条件は、今回確認した資料に具体的な記載がありません。
Q. 今年(2026年)の契約は、どうなっていますか。
2026年2月1日(2026シーズン)から、ABC区分は撤廃され、プロとアマチュアの2区分になっています。基本報酬の下限は、2026年7月1日(2026/27シーズン)から適用されます。
Q. 基本報酬の下限は、全選手が対象ですか。
18歳以下のプロ契約選手は、下限の例外とすることができます。ほかの例外の有無は、確認した資料に記載がありません。細かい運用は、Jリーグの規程で確認してください。
Q. なぜ、新人の年俸に上限があったのですか。
今回確認した報道では、旧制度では新人の年俸に上限を設けていたと説明されていますが、上限を設けた当初の理由までは書かれていません。改定の理由としては、自由競争の欧州との差が生じ、海外挑戦の一因になっていたことが挙げられています。
Q. 契約の区分がなくなると、何が変わりますか。
登録区分が、プロとアマチュアの2つになります。ABCの区分ごとの上限がなくなり、プロ契約の初年度の基本報酬は、上限1,200万円までの範囲で、クラブと選手が決められる形になります。
Q. 外国籍選手にも、同じ制度が適用されますか。
今回確認した資料には、外国籍選手に関する記載がありません。外国籍選手の枠は別の制度で決まっているため、Jリーグの公式資料で確認してください。
まとめ|新しい契約制度は、プロとアマの2区分
プロA・B・C契約は、2026年2月1日に撤廃され、契約区分はプロとアマチュアの2つになりました。初年度の基本報酬の上限は年額1,200万円に引き上げられ、2026/27シーズンからは、J1 480万円、J2 360万円、J3 240万円という下限も設けられます。運用は今後も見直される予定なので、最新の情報は、Jリーグの公式発表で確認してください。


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