「ホームランテラス」は、外野フェンスを本塁寄りに出して、ホームランを出やすくした仕組みです。日本では2013年の楽天から始まり、2026年にはバンテリンドーム ナゴヤと楽天モバイル 最強パーク宮城でフェンスの移設が行われました。この記事では、設置された球場の歴史、2026年に変わった点、シーズンの数字から見える変化、観戦するときの見方を整理します。
数字は、NPB公式サイトの記録員コラム、球団発表を伝える報道、集計サイトの2026年10月15日更新のデータなどを基にしています。集計の時点や定義が違うものは、その旨を書いています。
結論:ホームランは出やすくなる球場が増えた。ただし数字は慎重に見る
- 外野フェンスを前に出す仕組みは、2013年の楽天「Eウィング」、2015年のみずほPayPayドーム福岡「ホームランテラス」、2019年のZOZOマリンスタジアム「ホームランラグーン」と広がりました。
- 2026年は、バンテリンドーム ナゴヤに「ホームランウイング」ができ、楽天モバイル 最強パーク宮城でも外野フェンスが前に移されました。
- 楽天は、5月6日までの本拠地16試合でホームランが27本でした。前年の同じ時期(15試合)は17本で、約1.6倍です。
- 集計サイトの2026年の数字では、セ・リーグの本拠地6球場のうち、神宮球場とバンテリンドームのホームランパークファクターが高く、甲子園球場は低い結果でした。
- ただし、ホームランが増えた理由は、フェンスだけとは限りません。2019年のロッテのように、打撃全体の変化が主因とみる分析もあります。
ホームランテラスとは?
外野フェンスの前に席やゾーンを設けて、フェンスを本塁に近づける仕組みです。球場によって呼び名が違い、楽天は「Eウィング」、ソフトバンクは「ホームランテラス」、ロッテは「ホームランラグーン」、中日は「ホームランウイング」と呼んでいます。
かつて甲子園球場には、外野フェンスの前に「ラッキーゾーン」がありました。NPB公式サイトの記録員コラムによると、ラッキーゾーンは1991年に撤去されています。形を変えて、同じ考え方が近年の球場に広がっています。
設置の歴史:2013年から2026年まで
| 年 | 球場 | 名称・内容 |
|---|---|---|
| 1991年 | 阪神甲子園球場 | ラッキーゾーンを撤去 |
| 2013年 | 楽天モバイル 最強パーク宮城(当時の名称は別) | 「Eウィング」が登場 |
| 2015年 | みずほPayPayドーム福岡(当時はヤフオクドーム) | 「ホームランテラス」が登場 |
| 2019年 | ZOZOマリンスタジアム | 「ホームランラグーン」が登場 |
| 2026年 | バンテリンドーム ナゴヤ | 「ホームランウイング」を新設 |
| 2026年 | 楽天モバイル 最強パーク宮城 | 外野フェンスを前に移設 |
球場の名称は、年によって変わっています。表の「当時の名称」は、設置されたときの呼び名です。
球場ごとの変更点
みずほPayPayドーム福岡(2015年)
当時の報道によると、左中間と右中間のフェンスが118mから112mに、6m前へ出ました。外野フェンスの高さは5.84mから4.2mに、約1.6m低くなっています。両翼の100mと中堅の122mは変わっていません。報道では、国内で最も広い球場から、4番目に狭い球場になったと伝えられました。
ZOZOマリンスタジアム(2019年)
2019年に設置されたホームランラグーンは、フェンスが最大4m前に出ています。外野フェンスの高さは4.4mから3.3mに下がりました。
2019年シーズンの途中(本拠地70試合の時点)の集計では、ZOZOマリンでのホームランは72本(1試合あたり約1.03本)で、前年の同時期の36本から大きく増えました。ただし、ロッテの本拠地以外の試合でも、本塁打は増えています。集計した記事は、増加の主因はラグーンそのものより、打撃の変化にあると結論づけています。ラグーンの席に入った本塁打は、チーム全体で15本で、チームの本塁打の10%未満でした。
バンテリンドーム ナゴヤ(2026年)
中日は、2025年8月に「ホームランウイング」の詳細を発表しました。右中間と左中間のフェンスが、本塁から116mの位置から110mの位置に、6m前へ出ます。フェンスの高さは4.8mから3.6mに、1.2m低くなります。内訳は、ソフトラバーフェンスが2.6m、ネットフェンスが1.0mです。席は、ライト側とレフト側に各128席が設けられました。
NPB公式サイトの記録員コラムによると、2026年3月10〜15日のオープン戦(5試合)では、計11本のホームランが出ました。そのうち、従来のフェンスを越えたのが4本、新設のホームランウイングに入ったのが7本です。2025年の公式戦は、70試合で計64本でした。コラムの筆者は、5試合というサンプルの少なさを断ったうえで、試合あたりのホームランは1本以下から2本以上に増える可能性を指摘しています。
楽天モバイル 最強パーク宮城(2026年)
楽天は、2025年11月に外野フェンスの移設を発表しました。報道によると、左中間は116mから最大110m、右中間は116mから最大112mに、フェンスが前に出ました。左右のポールの100.1mと、中堅の122mは変わっていません。新しいフェンスの高さは、約2m(一部1.8m)と伝えられています。
2026年5月12日の報道では、5月6日までの本拠地16試合でホームランは27本でした。前年の同じ時期の15試合では17本でした。27本のうち、移設したゾーンに入ったのは12本です。旧寸法のままだった場合は、15本になっていたと報道は推定しています。楽天の15本のうち7本、相手チームの12本のうち5本が、ゾーンに入りました。パ・リーグの本拠地の中で、ホームランが出やすい順は3位で、旧寸法なら5位だったと分析されています。
2026年シーズンの数字:セ・リーグの本拠地6球場
ホームランパークファクター(PF)は、その球場でホームランが出やすいかを示す数字です。1.00を超えると出やすく、1.00を下回ると出にくいことを表します。集計サイト「プロ野球データ(baseball-chronicle)」の2026年10月15日更新のデータでは、セ・リーグの本拠地は次のとおりです。
| 球場 | ホームランPF(同一リーグ内) | ホームランPF(全試合対象) |
|---|---|---|
| 明治神宮野球場 | 1.50 | 1.38 |
| バンテリンドーム ナゴヤ | 1.37 | 1.26 |
| 東京ドーム | 1.16 | 1.17 |
| 横浜スタジアム | 1.09 | 1.00 |
| MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島 | 0.82 | 0.85 |
| 阪神甲子園球場 | 0.58 | 0.54 |
パ・リーグの本拠地の数字は、このページの表示の範囲では確認できなかったため、載せていません。PFは、その年の試合数や対戦相手で変わる数字なので、1年分の数字だけでフェンス移設の効果を決めつけるのは避けてください。バンテリンドームについては、ウイングの新設前の2025年のPFと比べて、はじめて変化が分かります。
観戦するときの見方
- 外野フェンスに近い打球が、ホームランになるか、フェンス直撃の二塁打になるかに注目できます。
- 解説者の見方として、ウイングの新設でホームランは増えても、二塁打や三塁打は減るかもしれない、との指摘があります。
- 投手にとっては、内容がよくても打球がフェンスを越えることが増えるため、配球の組み立て方が変わります。
- ホームランが出やすい球場でも、試合の展開は守備や走塁、投手力で大きく変わります。
球場ごとの特徴は、バンテリンドームの特徴とおすすめポイント、楽天モバイルパーク宮城の特徴とおすすめポイント、福岡PayPayドームの特徴とおすすめポイント、ZOZOマリンスタジアムの特徴とおすすめポイントに詳しく書いています。球場ごとの違いをまとめて比べるなら、セ・リーグ球場を徹底比較とパ・リーグ球場を徹底比較、プロ野球12球場おすすめランキングもご覧ください。
DH制など、セ・リーグとパ・リーグのルールの違いはプロ野球のセ・リーグとパ・リーグの違い|DH制の仕組みと見どころを初心者向けに解説で解説しています。
数字を読むときの注意
- 集計のサイトによって、試合数・集計の期間・PFの計算方法が違います。この記事の数字は、出典と日付を書いたものだけを使っています。
- オープン戦や、開幕から数週間の数字は、サンプルが少なく、変動が大きくなります。
- 寸法や席数は、改修や設備の入れ替えで変わることがあります。観戦前は、球団の公式サイトで最新の情報を確認してください。
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よくある質問
ホームランテラスがある球場は、どこですか?
2026年に、外野フェンスを前に出した仕組みを持つ球場として、みずほPayPayドーム福岡(ホームランテラス)、ZOZOマリンスタジアム(ホームランラグーン)、バンテリンドーム ナゴヤ(ホームランウイング)、楽天モバイル 最強パーク宮城(移設したフェンス)があります。
2026年に変わった球場は、どこですか?
バンテリンドーム ナゴヤに「ホームランウイング」が新設され、楽天モバイル 最強パーク宮城でも外野フェンスが前に移されました。どちらも左中間と右中間のフェンスが最大6m前に出ています。
フェンスを前に出すと、ホームランは必ず増えますか?
増える傾向はありますが、必ずではありません。2019年のロッテのように、本拠地以外でも本塁打が増え、打撃全体の変化が主因とみられた例もあります。
ホームランウイングやテラスの席に座れますか?
席の種類や販売方法は、球団と年度で変わります。バンテリンドームのウイングは、ライト側とレフト側に各128席と発表されました。購入できる席は、球団の公式サイトでご確認ください。
試合を自宅で見たいときは
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などの有料放送・配信があります。提供される試合や料金は変わるため、公式サイトで最新の情報を確認してください。
まとめ
外野フェンスを前に出す仕組みは、2013年の楽天から広がり、2026年にはバンテリンドームと楽天でも導入されました。楽天は5月6日までの16試合で27本と、前年同時期の約1.6倍になっています。一方で、2019年のロッテの例のように、打撃全体の変化も大きく影響します。数字を見るときは、出典と集計の時点を確認しながら、観戦では外野フェンス際の打球に注目してみてください。
参考にした情報
- NPB公式サイト 記録員コラム「ラッキーゾーンからホームランテラスへ」(2026年3月30日)
- デイリースポーツ「中日 本拠地『ホームランウイング』詳細イメージ発表」(2025年8月25日)
- デイリースポーツ「楽天 ホームランゾーンの恵みと嘆き」(2026年5月12日)
- BASEBALL KING(楽天の外野フェンス移設に関する記事、2025年11月26日発表を報じたもの)
- スポルティーバ(ヤフオクドームのホームランテラスに関する記事、2015年3月17日)
- spaia(ロッテのホームランラグーンに関する分析記事、2019年)
- プロ野球データ baseball-chronicle(2026年のパークファクター、2026年10月15日更新)


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