野球のスコアブックは、守備位置の番号(投手は1、捕手は2、一塁手は3…)と、塁を表す記号で、試合の流れを書き残す記録です。たとえば遊ゴロで一塁アウトなら「6-3」、センターフライなら「8」と書きます。この記事では、Baseball Channelと文春オンラインの解説をもとに、スコアブックの基本の考え方と、アウトの書き方の例をまとめます。
スコアブックはどこで買える?
球場の売店、スポーツ用品店、ネット通販などで購入できます。初心者向けには、記入欄が簡易なタイプもあります。
スコアブックの結論
- 守備位置は番号で表す(投手1、捕手2、一塁手3、二塁手4、三塁手5、遊撃手6、左翼手7、中堅手8、右翼手9)
- 遊ゴロで一塁アウトは「6-3」、センターフライは「8」または「8F」
- 塁は記号で表す方法もある(一塁A、二塁B、三塁C、本塁D)
- 安打・四球・犠打・失策には、それぞれ決まった意味がある
- 書き方は団体や人によって違うことがある
まずは、番号と守備位置の対応をおさえましょう。
守備位置の番号
| 番号 | ポジション | 守る場所 |
|---|---|---|
| 1 | 投手 | マウンド |
| 2 | 捕手 | 本塁の後ろ |
| 3 | 一塁手 | 一塁付近 |
| 4 | 二塁手 | 一塁と二塁の間 |
| 5 | 三塁手 | 三塁付近 |
| 6 | 遊撃手(ショート) | 二塁と三塁の間 |
| 7 | 左翼手(レフト) | 外野の左側 |
| 8 | 中堅手(センター) | 外野の中央 |
| 9 | 右翼手(ライト) | 外野の右側 |
スコアブックでは、打球を処理した選手の番号を書きます。たとえば、遊撃手(6)が捕って、一塁手(3)にボールを投げてアウトにした場合は、「6-3」と書きます。数字の順番が、ボールの流れを表しています。
アウトの書き方の例
文春オンラインの解説(2018年)では、次のような書き方が紹介されています。
| プレー | 書き方 | 読み方 |
|---|---|---|
| 遊ゴロ(遊撃手が捕って一塁へ) | 6-3 | 遊撃手→一塁手 |
| センターフライ | 8 または 8F | 中堅手が捕球 |
| 一ゴロを一塁手が処理し、自分で一塁ベースを踏んでアウト | 3A | 一塁手が一塁(A)を踏んでアウト |
| 併殺で、遊撃手が二塁ベースを踏み、一塁へ送球 | 6B-3 | 遊撃手が二塁(B)を踏み、一塁手へ |
| 満塁で、捕手がゴロを捕って本塁でアウト(封殺) | 2D | 捕手が本塁(D)でアウト |
| 右翼手から二塁へ送球し、走者をアウト(ライトゴロ) | 9-6 | 右翼手→遊撃手 |
塁を表す記号
- 一塁:A
- 二塁:B
- 三塁:C
- 本塁:D
たとえば「3A」は、一塁手が自分で一塁ベース(A)を踏んでアウトにしたことを表します。「6B-3」は、遊撃手が二塁ベース(B)を踏み、一塁手(3)へ送った併殺です。
番号をつなげて考える例
次の表は、守備位置の番号をつなげる考え方の例です。スコアブックでは、ボールが渡った順に番号を並べます。
| プレー | 書き方の例 |
|---|---|
| 二ゴロ(二塁手が捕って一塁へ) | 4-3 |
| 三ゴロ(三塁手が捕って一塁へ) | 5-3 |
| 投ゴロ(投手が捕って一塁へ) | 1-3 |
| レフトフライ | 7 |
| ライトフライ | 9 |
記録に出てくる用語の意味
Baseball Channelの解説(2019年)をもとに、スコアブックによく出てくる記録の意味をまとめます。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 安打(ヒット) | 打者の打球が守備側に捕られず、フェアゾーンに落ちて打者が出塁すること。相手のエラーによる出塁は、安打にならない |
| 四球(フォアボール) | 投手の投球がボール4つになり、打者が一塁に進めること |
| 犠打 | 打者がアウトになる代わりに、出塁中の走者を進塁させる打撃。犠牲バントと犠牲フライがある |
| 失策(エラー) | 守備側の野手がアウトにできたはずの打者や走者をアウトにできなかったり、余分な進塁を許したりすること。暴投、捕逸、野手選択は失策に含まれない |
安打とエラーの違いは、スコアブックをつけるうえで大切なポイントです。相手のミスで出塁した場合は、打者の安打にはなりません。
スコアボードとスコアブックの違い
| 項目 | スコアボード | スコアブック |
|---|---|---|
| どこにある | 球場の電光掲示板など | 自分で用意した記録用紙(ノートや専用の本) |
| 何がわかる | 得点、ヒット数、エラー数など、試合の大まかな状況 | 1打席ごとのプレーの内容、守備の動き |
| 使い方 | 見るもの | 自分でつけるもの |
スコアボードは、試合の状況を一目で知るためのものです。スコアブックは、1打席ごとのプレーを細かく残すためのもので、後から試合を振り返ることができます。
読み方を練習してみよう
ここまでの内容を使って、次の記録が何を表しているか考えてみてください。答えは下の表です。
| 記録 | 何を表している? |
|---|---|
| 6-3 | 遊撃手が捕って一塁手へ送ってアウト(遊ゴロ) |
| 8 | 中堅手が捕球(センターフライ) |
| 3A | 一塁手が自分で一塁ベースを踏んでアウト |
| 6B-3 | 遊撃手が二塁ベースを踏み、一塁手へ送った併殺 |
| 2D | 捕手が本塁でアウトにした(満塁での封殺の例) |
| 9-6 | 右翼手から遊撃手へ送ってアウト(ライトゴロの例) |
数字の並びが「ボールが渡った順番」を表していることがわかれば、あとは番号と守備位置を覚えるだけです。
犠打と失策の見分け方
- 打者がアウトになる代わりに走者を進めたら、犠打(犠牲バントか犠牲フライ)
- アウトにできたはずなのに、取れなかったら、失策(エラー)
- 暴投、捕逸、野手選択は、失策には含まれない
- 相手のエラーでの出塁は、安打にならない
エラーかどうかの判断は、公式記録員が行います。観戦中に自分でつけるときは、迷う場面があると思いますが、あとで公式の記録と見比べると勉強になります。
スコアブックをつけるときのコツ(例)
- まずは、守備位置の番号を覚える(1〜9)
- 最初は、自分が応援するチームの攻撃だけをつけてみる
- 難しい場面は、あとで調べて書き足す
- 記号の書き方は、団体によって違うことがあるので、自分の書き方を決めておく
書き方は、団体や人によって違います。この記事で紹介した記号は、あくまで一例です。公式の記録の書き方とは異なる場合があります。
初心者向け:簡易版から始めよう
いきなり全部を記録しようとすると、途中で挫折しやすくなります。最初は次のような簡単な書き方から始めましょう。
- 打席の結果だけ書く:走者の動きやアウトカウントは後回し
- ひいきチームの攻撃だけ書く:相手チームは見るだけ
- 1〜3回だけ書く:慣れてきたら回数を増やす
- メモ欄に気づきを書く:好プレーや気になった場面を一言で
慣れてくると、投手の継投や代打、守備交代の記録にも挑戦できます。これらは、育成選手や若手の台頭など、シーズンの見どころにもつながります。選手の区分は育成選手とは?支配下との違いも参考になります。
よくあるミス
- 打席の結果を書き忘れ、あとから打順が分からなくなる
- 守備位置の番号を間違える(特にショートの6とレフトの7)
- 走者の進塁を書き忘れ、得点が合わない
- 代打や守備交代の記録を忘れる
- エラーとヒットの判断に迷い、手が止まる
エラーかヒットかの判断は、公式記録員が決めます。迷ったときは、とりあえず「安打」か「失策」のどちらかを仮に書き、試合後に公式記録で確認するのがおすすめです。
球場でスコアブックを付けるときの準備
| 持ち物 | ポイント |
|---|---|
| スコアブック | 初心者向けの簡易タイプもある |
| 鉛筆・消しゴム | ミスを直せるように。色鉛筆があると走者の色分けに便利 |
| 下敷き | 膝の上で書くときに安定する |
| 先発メンバー表 | 球場で配布・掲示されることが多い |
| ライト・クリップ | 夜間の球場で手元を照らす(周りの迷惑にならないように) |
持ち物全般は初めての野球観戦持ち物リストも参考になります。座席の選び方は初めての野球観戦におすすめの座席ランキングをご覧ください。
スコアブックの実例:1打席を書いてみよう
たとえば、1番打者がショートへのゴロで一塁アウトになった場合、1回表の1番打者の枠に「6-3」と書き、枠の隅に「1」(1アウト)と記入します。次の2番打者がセンター前ヒットなら「−」と書き、一塁に線を引きます。
3番打者が三振なら「K」と書いて2アウト目、4番打者がレフトへの二塁打なら「=」と書いて、一塁走者が三塁まで進んだことを線で表します。こうして1打席ずつ書いていくうちに、イニングの流れが紙の上に残ります。
最初のうちは、書き終わったあとに実際のテレビ中継やハイライトと見比べて、記録が合っているか確認するのもよい練習になります。
よくある質問
センターフライは何と書く?
文春オンラインの解説では、「8」または「8F」と紹介されています。
遊ゴロは何と書く?
遊撃手(6)が捕って一塁手(3)に送ってアウトなら、「6-3」です。
エラーは安打になる?
なりません。相手のエラーによる出塁は、安打には含まれません。
スコアブックは公式のルールで決まっている?
記録の考え方には決まりがありますが、記号の書き方は団体や人によって違うことがあります。この記事で紹介した記号は、文春オンラインの解説にある一例です。
塁のA・B・C・Dは必ず使う?
いいえ。塁を記号で表す書き方の一つとして紹介されているものです。使わずに、番号だけで記録する人もいます。
初めてつけるなら、何から始める?
守備位置の番号(1〜9)を覚えて、ゴロとフライだけを記録するところから始めるのがおすすめです。
試合を見ながらつけるのは難しい?
最初は、プレーのスピードに追いつけないことがあります。守備位置の番号がすぐ出てくるようになるまでは、ゴロとフライだけに絞って、慣れてきたら安打や四球も加えていくと続けやすくなります。
記録を見返すと何がわかる?
1打席ごとの内容が残るため、どの打球がどの方向に飛んだかや、守備の動きを後から確認できます。
まとめ
- 守備位置は番号で表す(投手1〜右翼手9)
- アウトは、ボールが渡った順に番号を並べる
- 塁は、A・B・C・Dの記号で表す書き方もある
- 安打、四球、犠打、失策には、それぞれ決まった意味がある
- 書き方は団体や人によって違う
出典:文春オンライン「ライトゴロや隠し球……意外なプレーが野球を面白くする」(2018年8月15日)、Baseball Channel「野球のルールを覚えよう~入門編~」(2019年8月14日)。


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