結論から言うと、振り逃げは「第3ストライクの投球を捕手が正規に捕球できなかったとき、打者が一塁へ走れる」というルールです。空振り三振だけでなく、見逃し三振でも成り立つ場合があります。三振がそのままアウトになるとは限らない点が、観戦で見落としやすいポイントです。
この記事では、NPB公式サイトの記録員コラム(2018年6月21日)の内容をもとに、振り逃げが起きる条件、記録のされ方、観戦での見方を整理します。
※規則は改定されることがあります。最新の内容は公認野球規則やNPBの公式案内でご確認ください。
振り逃げとは?三振がアウトとは限らない理由
三振は、球審が打者に3つ目のストライクを宣告したときに記録されます。ただし、NPBの記録員コラムでは「三振がそのままアウトになるとは限らない」と説明されています(野球規則5.09(a)、5.05(a)を引用)。
| 第3ストライクのとき | 結果 |
|---|---|
| 捕手が投球を正規に捕球した | 打者アウト |
| 捕手が捕球できなかった(一塁が空いているなどの条件を満たす場合) | 打者は走者になれる。いわゆる「振り逃げ」 |
| 0アウトまたは1アウトで、一塁に走者がいる | 第3ストライクの宣告時点で打者アウト |
つまり、振り逃げは、一定の条件のもとで、捕手が投球を捕れなかったときに起きます。
よくある誤解:振らなければ成立しない?
コラムでは、バットを振らなければ振り逃げは成立しないと誤解している人が多いと指摘されています。規則の文言は「第3ストライクと宣告された投球」で、空振りか見逃しかは問われません。
- 空振り三振でも、見逃し三振でも、捕手が正規に捕球できなければ、打者が一塁に生きる可能性がある
- 「振っていないからアウト」とは限らない
振り逃げはどう記録される?
打者が一塁に生きた場合、記録員は次のいずれかを判断して記録します。
| 記録 | 意味 |
|---|---|
| 三振と暴投 | 投手の投球が悪く、捕手が止められなかった |
| 三振と捕逸 | 捕手が捕れるはずの球を捕れなかった |
| 三振と失策 | 捕手が球を拾い直して一塁へ悪送球し、本来アウトにできた打者走者を生かした場合など |
打者は「三振」を記録されたうえで、一塁に出ます。投手には三振がつきますが、その後の走者の扱いは、暴投・捕逸・失策の判断によって変わります。
実例:1イニング4奪三振
NPBのコラムでは、2018年5月4日の楽天対西武(楽天生命パーク)で、楽天の松井裕樹投手が9回表に1イニング4奪三振を記録した例が紹介されています。プロ野球では21度目の記録です。
- 源田壮亮選手への第3ストライクが低く、捕手が止められず、打者が一塁に生きた
- 記録は「三振と暴投」
- その後の打者からも三振を奪い、1イニング4奪三振になった
また、二軍では2010年5月8日の楽天対日本ハム(利府)で、楽天の木谷寿巳投手が7回表に1イニング5奪三振を記録しました。コラムによると、一軍公式戦で1イニング5奪三振の記録はなく、一・二軍を通じて5奪三振を記録したのは木谷投手ただ1人とされています。
1イニングに三振が4つ以上つく場面は、振り逃げが絡んだ場合にしか起きません。観戦中に出会えたら、貴重な瞬間です。
用語を整理
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 三振 | 球審が打者に3つ目のストライクを宣告したときに記録される |
| 振り逃げ | 三振と宣告されたあと、捕手が投球を正規に捕球できず、打者が一塁へ生きること(通称) |
| 暴投 | 投手の投球が悪く、捕手が止められない投球。走者が進塁する原因になる |
| 捕逸 | 捕手が普通なら捕れる投球を捕れず、走者が進塁すること |
| 失策 | 野手が普通のプレーで失敗し、打者や走者を生かすこと |
| 正規に捕球 | 落球せずにボールをつかむこと。地面に触れる前に確実に捕ることが条件 |
「振り逃げ」は、規則上の正式な用語ではなく、一般的な呼び方です。記録上は「三振と暴投」「三振と捕逸」「三振と失策」のいずれかになります。
三振なのに走者が出る:記録の見方
スコアボードでは、三振の欄が1つ増えるうえに、打者が出塁します。守備側のミスとして、暴投や捕逸が記録されるため、投手や捕手の成績にも関係します。
| 記録 | 主に影響する選手 |
|---|---|
| 三振と暴投 | 投手 |
| 三振と捕逸 | 捕手 |
| 三振と失策 | 失策をした野手(捕手など) |
投手の自責点との関係など、成績の細かな扱いは、公認野球規則の記録の項目でご確認ください。この記事では、公式記録員のコラムで確認できた範囲のみ書いています。
三振のあとのプレーを楽しむコツ
- 低めの変化球や、ワンバウンドの投球が来たときは、「もしかすると」と注目する
- 一塁へ送球するときの、捕手や一塁手の動きに注目する
- 走者が出ることで、次のバッターの打席に影響することも見どころ
- 記録員のスコアシートを見ると、どう記録されたかが分かる
球場で観戦していると、三振の瞬間にいったん場内が盛り上がり、その後に「打者が走っている」と気づいて歓声に変わる場面があります。ルールを知っているだけで、最後までプレーを見逃さずに楽しめます。
観戦で見るときのポイント
- 低いボールや、ワンバウンドの投球で三振になった場面では、捕手の動きに注目する
- 三振になった打者が、すぐにベンチへ戻らず走り出すかどうかを見る
- 守備側は、落ち着いて一塁へ送球してアウトにできるか
- 攻撃側ファンにとっては、思わぬチャンスになる
守備側を応援している観客にとっては残念な場面ですが、記録員のコラムは、珍しい記録が生まれる瞬間を見られる機会でもあると述べています。野球観戦が初めての方は、初めての野球観戦でありがちな失敗7選も参考になります。
記録員コラムが伝える「観戦の楽しみ方」
NPBの記録員コラムは、振り逃げについて、守備側を応援している観客にとっては残念な場面だが、珍しい記録が生まれる瞬間を見られる機会でもあると述べています。たとえば1イニング4奪三振は、プロ野球で21度目(2018年5月4日時点)という珍しい記録でした。
一軍の公式戦で1イニング5奪三振の記録がない(コラム掲載時点)ことからも、振り逃げが絡む場面は、そう頻繁には起きません。出会えたときは、ぜひ記憶に残してください。
よくある疑問
Q. 振り逃げは、どんなときでもできる?
いいえ。0アウトまたは1アウトで一塁に走者がいる場合は、第3ストライクの宣告時点で打者アウトになります。その他の細かな条件は、公認野球規則でご確認ください。
Q. 捕手が捕れなかったら、必ず振り逃げ?
捕手が第3ストライクを正規に捕球できなかった場合に、打者は走者になれます。ただし、状況(走者の有無、アウトカウント)によって扱いが変わります。
Q. 記録は三振と何が違う?
三振と暴投、三振と捕逸、三振と失策のいずれかが記録されます。誰の責任かを記録員が判断します。
この記事で確認できていないこと
- 2アウトの場合や一塁が空いている場合など、振り逃げが成立する細かな条件の全文
- 暴投・捕逸・失策の判断基準
- 投手の自責点の扱い
これらはNPBの記録員コラムで詳しく説明されていなかったため、細部には触れていません。正確に知りたい場合は、公認野球規則(5.05、5.09ほか)や、NPB公式の記録に関する解説をご確認ください。
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まとめ
- 振り逃げは、第3ストライクの投球を捕手が正規に捕球できなかったときに起きる
- 空振りでも見逃しでも成り立つ
- 0アウトまたは1アウトで一塁に走者がいるときは、宣告時点でアウト
- 記録は「三振と暴投」「三振と捕逸」「三振と失策」のいずれか
参考にした情報
- NPB公式サイト:NPBニュース【記録員コラム】「三振=アウトではない!?」(2018年6月21日)
※規則の最新の内容は、公認野球規則やNPBの公式発表でご確認ください。


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