野球の記録には、「打点」「得点」「自責点」と、似た言葉がいくつも出てきます。どれも「点」に関する言葉ですが、数えるものがまったく違います。この記事では、3つの違いを、初心者向けに整理します。
結論:得点は「ホームを踏んだ人」、打点は「点を入れた打者」、自責点は「投手の責任」
| 言葉 | 誰の記録? | 意味 |
|---|---|---|
| 得点 | 走者 | ホームベースを踏んで、1点を入れた選手に付く記録 |
| 打点 | 打者 | その打者の打撃で、走者が得点した場合に付く記録 |
| 自責点 | 投手 | 投手の責任で、相手に入った点に付く記録 |
- 同じ1点でも、得点は走者、打点は打者、自責点は投手の記録として、それぞれ別に数えます。
- 1点が入っても、打点や自責点が付かない場合があります。
- 自責点は、守備のミスで入った点を除いて数えます。
成績表では、得点が「R」、打点が「RBI」と表示されます。自責点は、投手の成績で「ER」と表示されることがあります。
得点とは
得点は、走者がホームベースを踏んで、1点を入れたときに記録されます。打者が本塁打を打てば、打者自身と、塁にいた走者の全員に、それぞれ得点が付きます。
- 本塁打を打った打者にも、得点が1つ付きます。
- 走者が盗塁やボークなどでホームに入った場合も、その走者の得点です。
- チームの得点(スコア)は、全員の得点の合計です。
打点とは
打点は、打者の打撃によって、走者がホームに入ったときに付く記録です。安打や犠牲フライ、四球(満塁の押し出し)などで、点が入ったときに記録されます。
- 安打で走者が得点したら、打者に打点が付きます。
- 犠牲フライで走者が生還しても、打点が付きます。
- 本塁打は、打者本人の分も含めて、打点が付きます。
- 併殺打で走者が得点した場合など、打点が付かないケースもあります。
打点が付くかどうかは、公認野球規則で細かく決まっています。同じように見える場面でも、記録が変わることがあります。
自責点とは
自責点は、投手の責任で、相手に入った点を数える記録です。公認野球規則10.16(a)項では、次のようなプレーで走者が得点したときに、自責点が記録されるとされています。
- 安打、犠牲バント、犠牲フライ
- 盗塁、刺殺、野手選択
- 四球(故意四球も含む)、死球
- ボーク
- 暴投(第3ストライクのときに暴投して、打者を一塁に生かした場合も含む)
ただし、この条文には、「ただし」以降の条件がついています。守備側が、相手の3人をアウトにできる守備機会をつかむ前に入った得点に限られる、という考え方です。
エラーがあると、自責点はどうなる?
NPBの解説記事では、次のような例が紹介されています。2アウトから、野手が打球を落とし(記録は失策)、その後に点が入った場合です。
- 落球がなければ、3アウトでチェンジになっていたはずです。
- その場合、その後に入った点は、自責点になりません。
- 判断の基準は、「3アウトにできた機会が来る前に、点が入ったか」です。
このように、自責点は、守備のミスがなければ点が入らなかったかどうかを考えて、決まります。見た目は同じ1点でも、打点や得点は付くのに、自責点は付かない場合があります。
同じ1点の例で比べる
| 場面の例 | 得点 | 打点 | 自責点 |
|---|---|---|---|
| 走者一塁から、安打で走者が一塁から生還 | 走者に付く | 打者に付く | 投手に付く |
| 本塁打 | 打者・走者の全員に付く | 打者に付く(走者の人数+1点) | 投手に付く |
| 2アウトから、守備の失策のあとに得点 | 走者に付く | 状況による | 付かない場合がある |
| 四球で、満塁の走者が生還(押し出し) | 走者に付く | 打者に付く | 投手に付く |
表は、考え方をつかむための例です。実際の記録は、公式記録員が公認野球規則にもとづいて判断します。
防御率との関係
投手の成績としてよく見る「防御率」は、自責点をもとに計算されます。1試合(9イニング)あたり、平均で何点の自責点を取られたかを表す数字です。
| 項目 | 考え方 |
|---|---|
| 防御率 | 自責点 × 9 ÷ 投球回で計算する |
| 失点 | 相手に入った点すべて |
| 自責点 | 失点のうち、守備のミスを除いたもの |
防御率が低いほど、投手が自分の力で失点を防げていることを表します。ただし、守備のミスで入った点は自責点に含まれないため、チームの守備力によって、防御率が影響を受けることもあります。
打点が付かないケースがある
打点は、打者の打撃で走者が得点したときに付く記録ですが、いつも付くとは限りません。
- 併殺打の間に走者が得点した場合など、打点が付かないケースがあります。
- 守備側の失策がなければ、点が入っていなかったと判断される場合も、扱いが変わることがあります。
- 細かい判断は、公式記録員が公認野球規則にもとづいて行います。
観戦中に、「点が入ったのに打点が付かなかった」という場面があっても、慌てなくて大丈夫です。記録のルールにもとづいて、扱いが決まっています。
観戦でどう見分ける?
- 打点は、試合後の「ヒーローインタビュー」でよく話題になります。
- 自責点は、先発投手の成績で、防御率の計算に使われます。
- 得点は、チームの勝ち負けを決める、いちばん基本の数字です。
- スコアボードの得点、安打、失策の欄を見ながら、試合を追うと分かりやすくなります。
野球観戦の基本は、【完全ガイド】初めての野球観戦を100%楽しむでも紹介しています。
個人タイトルとのつながり
これらの記録は、シーズンの個人タイトルにも使われます。
| タイトル | 使われる記録 |
|---|---|
| 打点王 | シーズンの打点が最も多い打者 |
| 最優秀防御率 | 防御率が最も良い投手(自責点をもとに計算) |
得点そのものは、打点のようにタイトルにはなりにくいものの、チームの攻撃力を測る、基本の数字です。シーズン中は、打点王争いや、防御率の順位が、ニュースでよく取り上げられます。
「得点圏」とは
打点の話題で、よく出てくる言葉が「得点圏」です。二塁または三塁に走者がいる場面を指します。安打が出れば、走者が得点できる可能性が高い場面です。
- 「得点圏打率」は、得点圏に走者がいる場面での打率です。
- 得点圏で強い打者は、打点を稼ぎやすいと言われます。
- ただし、打点は、前を打つ打者が出塁してくれるかにも左右されます。
覚え方のコツ
- 得点:「ホームを踏んだ人」の記録(走者)。
- 打点:「点を入れた打者」の記録(打者)。
- 自責点:「投手が責任を負う点」の記録(投手)。
- 失点:「相手に入った点すべて」(自責点を含む)。
この4つを、「誰の記録か」で整理すると、混乱しにくくなります。試合を見ながら、点が入るたびに、誰にどの記録が付くかを考えてみると、すぐに身につきます。
よくある質問
打点と得点は、同じ数ですか?
同じとは限りません。本塁打なら、打者に打点、打者と走者のそれぞれに得点が付きます。併殺打などで、打点が付かない場合もあります。
自責点が付かないのは、どんなときですか?
守備のミスがなければ、3アウトで攻撃が終わっていたはずの場面で入った点などです。失策のあとの点は、自責点にならない場合があります。
自責点と失点は、同じですか?
違います。失点は、相手に入った点すべてです。自責点は、そのうち、守備のミスがなくても入っていたと考えられる点だけを数えます。
打点は、どの選手に付きますか?
打者に付きます。打者の打撃で、走者が得点した場合に記録されます。
まとめ
得点は走者、打点は打者、自責点は投手の記録です。同じ1点でも、記録の付き方は違います。
3つの違いが分かると、試合後の成績や、ニュースの数字が、ぐっと読みやすくなります。
参考にした情報
- ベースボールチャンネル「投球4回で勝利投手に?『自責点』って…判定はどうなる?」(公認野球規則10.16(a)の引用)
- 公認野球規則(日本野球機構)
※記録の扱いは、規則の改正や公式記録員の判断で変わることがあります。詳しくは、公認野球規則や、公式の記録を確認してください。


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