試合後のニュースで、「GKが今季〇度目のクリーンシート」「チームは4試合連続クリーンシート」といった表現を見かけることがあります。直訳すると「きれいな紙」ですが、サッカーでは何を指す言葉なのでしょうか。また、記録としては、どんな意味があるのでしょうか。
この記事では、クリーンシートの意味、誰の記録になるのか、守備やGKの評価との関係、プレミアリーグやJリーグの代表的な記録を、確認できた資料の範囲で整理します。守備の陣形はサッカーのフォーメーションの見方、基本ルールはサッカー初心者が知っておきたい基本ルール5つも参考にしてください。
先に結論|クリーンシートを5行で
- クリーンシートは、一般に、GKが所属チームの失点をゼロに抑えて試合を終えること。無失点試合のこと
- 引き分けの0-0でも、勝った1-0でも、失点がなければクリーンシートになる
- プレミアリーグでは、クリーンシートの数で受賞者が決まる「ゴールデングローブ賞」がある
- プレミアリーグのシーズン最多記録は、2004/05シーズンのペトル・チェフ(当時チェルシー)の24回
- Jリーグでは、名古屋グランパスが2021年に、J1の連続無失点時間記録818分を作った
クリーンシートとは
クリーンシート(clean sheet)は、相手に得点を許さなかった試合を指す言葉です。資料によって表現は異なりますが、一般的には、GKが所属チームの失点をゼロに抑えて試合を終えることを意味します。日本語では「無失点」「完封」と言い換えられることも多くあります。
勝敗は関係ありません。1-0で勝った試合も、0-0で引き分けた試合も、失点がゼロなら、クリーンシートが記録されます。反対に、3-1で勝っても、失点があれば、クリーンシートにはなりません。
| スコア | 結果 | クリーンシート |
|---|---|---|
| 1-0 | 勝ち | 記録される |
| 0-0 | 引き分け | 記録される |
| 3-1 | 勝ち | 記録されない(1失点) |
| 0-2 | 負け | 記録されない(2失点) |
なお、今回確認した資料には、クリーンシートを厳密に定義した記述はありません。ここでの説明は、記事の使われ方と、一般的な意味に基づいています。データ会社によっては、GKが出場した時間などで、扱いが異なる場合があります。
GKだけの記録ではない
クリーンシートは、GKの数字として扱われることが多い記録です。プレミアリーグのゴールデングローブ賞は、クリーンシートの数で受賞者が決まる賞です。しかし、無失点で終えるには、GKのセーブだけでなく、守備陣全体の組織的な守りや、攻撃陣のボールを保持する時間なども関わります。
つまり、クリーンシートの数は、GKの活躍とともに、チーム全体の守備の安定感を示す数字としても読めます。数字を見るときは、チームの戦い方や、対戦相手の攻撃力も、あわせて考えるとよいでしょう。
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プレミアリーグの代表的な記録
シーズン最多は24回
プレミアリーグのシーズン最多のクリーンシートは、2004/05シーズンのペトル・チェフ(当時チェルシー)の24回です。2018/19シーズンのアリソン(リヴァプール)は、全38試合に出場して21試合で完封しました。失点は22で、これはプレミアリーグ創設以来で最少の失点とされました。
アリソンのゴールデングローブ賞の受賞は、2004年の創設以来、欧州出身ではないGKとして初めてでした。リヴァプールのGKとしては、2007/08シーズンのペペ・レイナ以来、11年ぶりでした。最終節前には、マンチェスター・シティのエデルソンも同じ20回のクリーンシートで、受賞を争いました。
通算の上位(2020年11月時点)
| 順位 | GK | 出場 | クリーンシート | 主な所属 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | ペトル・チェフ | 443 | 202 | チェルシー、アーセナル |
| 2位 | ディビッド・ジェームス | 572 | 169 | リヴァプール、ポーツマスなど |
| 3位 | マーク・シュウォーツァー | 514 | 151 | ミドルズブラ、フラム |
| 4位 | デビッド・シーマン | 344 | 141 | アーセナルなど |
| 6位 | ペペ・レイナ | 297 | 136 | リヴァプール、アストン・ヴィラ |
この表は、2020年11月21日公開の記事に基づく、当時の数字です。現在の数字は変わっている可能性があります。チェフは、443試合で202回、率にして45.5%と紹介されており、レイナは297試合で136回(45.7%)と、出場数が少なくても、高い割合を記録しています。
Jリーグの記録|名古屋グランパス
Jリーグでは、2021年4月に、名古屋グランパスがJ1の連続無失点時間記録を更新しました。J1第19節で広島に1-0で勝ち、開幕から8勝2分けの10戦無敗となった時点で、無失点時間の記録は818分でした。これは、J1の連続無失点記録の歴代1位として紹介されています。
最後に失点したのは、開幕節のアビスパ福岡戦の後半37分でした。報道では、連続のクリーンシートも、新記録と伝えられました。ただし、試合数の表記が記事の中で食い違っていたため、この記事では試合数の数字は割愛します。
日本人GKの例|高丘陽平
日本人GKでは、MLSのバンクーバー・ホワイトキャップスで高丘陽平が、2023年5月の時点で4試合連続のクリーンシートを達成していました。5月6日のミネソタ戦で2失点し、連続記録は途切れましたが、チームは443分間の無失点を続けていました。これは、クラブがMLSに参戦した2011年以降で最長の記録とされました。
連続クリーンシートと、無失点時間は別の数字
クリーンシートの記録には、2種類の見方があります。ひとつは、試合ごとに数える「連続クリーンシート(連続無失点試合)」です。もうひとつは、最後に失点してから、何分間失点していないかを数える「無失点時間」です。
名古屋グランパスの818分は、後者にあたります。高丘陽平が所属するバンクーバー・ホワイトキャップスの443分も、チームの無失点時間です。試合をまたいで、分単位で数えるため、1試合の途中で失点すると、その時点で記録が途切れます。
ニュースでは、この2つが混ざって紹介されることがあります。「〇試合連続」と書かれていれば試合数の記録、「〇分間」と書かれていれば時間の記録です。記事を読むときは、どちらの数字なのかを確認すると、理解しやすくなります。
観戦でクリーンシートを楽しむコツ
- 1-0の勝ちや0-0の引き分けが続くとき、守備の安定感が高い。クリーンシートの数を確認する
- GKの好セーブだけでなく、守備陣全体の連係や、中盤の守備にも目を向ける
- 連続無失点試合や無失点時間は、チームの記録として発表されることがある
- 数字を引用するときは、いつの時点のものかを確認する
よくある質問
Q. クリーンシートは、GKだけの記録ですか。
一般には、GKの記録として扱われることが多いですが、実際には、チーム全体で失点を防いだ結果です。ゴールデングローブ賞はGKに贈られる賞ですが、守備陣の力も大きく関わります。
Q. 途中交代したGKも、クリーンシートが付きますか。
今回確認した資料には、GKが途中交代した場合の扱いについての記載がありません。データ会社や大会によって扱いが異なる場合があるため、公式記録を確認してください。
Q. 1-0の勝ちと、0-0の引き分けでは、どちらが価値がありますか。
クリーンシートとしては同じ扱いです。ただし、勝ち点は、1-0の勝ちが3、0-0の引き分けが1と異なります。試合の価値は、順位争いの状況なども含めて、考える必要があります。
Q. 無失点が続くと、何が起こりますか。
確認した資料によると、名古屋グランパスは2021年に、開幕から10戦無敗で、無失点時間の記録が818分に達しました。無失点が続くと、チームの安定感を示す記録として報じられ、試合のたびに「どこまで記録が伸びるか」が注目されます。
まとめ|勝敗とは別の「守備の数字」
クリーンシートは、失点ゼロで試合を終えることで、勝敗にかかわらず記録されます。プレミアリーグでは、ゴールデングローブ賞の基準にもなり、シーズン最多はチェフの24回です。Jリーグでは、名古屋が2021年に818分の連続無失点を記録しました。守備の数字としてクリーンシートに注目すると、試合の見え方が少し変わります。


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