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ハイブリッド芝とは|天然芝との違い・3つの方式・日本のスタジアムの導入例

ハイブリッド芝とは|天然芝との違い・3つの方式・日本のスタジアムの導入例 サッカー観戦ガイド
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Jリーグの試合中継やスタジアムの紹介で、「ハイブリッド芝」という言葉を聞いたことはないでしょうか。天然芝と人工の素材を組み合わせた芝のことで、日本でも2018年のシーズン以降、Jリーグのスタジアムで導入が進みました。

この記事では、ハイブリッド芝の仕組み、3つの方式の違い、メリットと注意点、日本での導入例を整理します。「天然芝と何が違うのか」「普通の人工芝とは別物なのか」という疑問に、順番に答えていきます。

先に結論|ハイブリッド芝を4行で

  • ハイブリッド芝は、天然芝に、全体の約5%以下の人工芝や人工繊維を混ぜて使う芝
  • 目的は、天然芝の根付きを助けて、踏まれたりねじれたりする力への強さを高めること。日常の手入れは、天然芝のグラウンドとほぼ同じ
  • 方式は、打ち込み式(ステッチ式)、カーペット式、人工繊維補強式の3つに分けられる
  • 日本では、2017年7月にJリーグが打ち込み式の導入を承認し、ノエビアスタジアム神戸が第1号になった

ハイブリッド芝とは|天然芝を人工素材で補強した芝

ハイブリッド芝は、見た目も触った感じも、ほぼ天然芝です。違いは、芝の根の周りやピッチの下に、人工の繊維などが入っていることです。人工素材は、全体のおよそ5%以下とされています。

サッカーでは、試合のたびにスパイクで芝が踏まれ、削られます。ゴール前など、選手が集まる場所は特に傷みやすくなります。人工の繊維が芝の根を支えることで、芝がはがれにくくなり、シーズンを通して、ピッチの状態を保ちやすくなります。

一方で、「人工芝の上でプレーしている」わけではありません。ピッチの上に出ているのは天然の芝で、水やりや肥料、芝刈りといった管理は、天然芝と同じように続ける必要があります。

ハイブリッド芝の3つの方式打ち込み式(ステッチ式)人工繊維を芝に打ち込む例:GrassMaster、SISGrassカーペット式人工芝マットに砂と種を重ねる例:XtraGrass、HERO人工繊維補強式砂に繊維を混ぜて種をまく例:AirFibrどの方式も、天然芝+人工素材が全体の約5%以下
図:ハイブリッド芝の3方式。製品名は一例です。

3つの方式の違い

方式仕組み強み注意点
打ち込み式(ステッチ式)天然芝の表面に、特殊な人工繊維を一定の間隔で打ち込む。打ち込みの深さは9〜18cm、地上に出るのは約2cm踏みつけやねじれ、摩擦に強くなる。排水性も上がる排水がよくなりすぎるため、散水や施肥の回数が増える
カーペット式6〜7cmの人工芝カーペットを敷き、砂をまいて天然芝の種をまく。現地の外で育ててから敷ける基盤を整えやすく、早く使える摩耗にはやや弱い。排水性は高くなりすぎることがある
人工繊維補強式珪砂、マイクロファイバー、炭化コルク粒を混ぜた基盤材に、種をまく根が繊維に絡むので、芝がはがれにくい。保水力があり、散水や施肥の回数を減らせる現地の土壌となじみにくい

メリットとデメリット

メリット

  • 芝が根付きやすくなり、ピッチが荒れにくい
  • 選手の踏み込みやねじれに耐えやすく、試合が続いても、グラウンドを保ちやすい
  • 方式によっては、排水性の向上や、早期の使用開始が見込める

デメリットと限界

  • 天然芝が育たない環境では、ハイブリッド芝も育たない
  • イベントで使う機材の重さは、そのまま芝にかかるため、芝へのダメージは変わらない
  • 打ち込み式とカーペット式は、排水がよくなりすぎるので、水や肥料の管理に手間がかかる
  • かつては、普通の天然芝ピッチより硬くなりやすいといわれたが、技術の改良で解消されつつある

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日本のスタジアムでの導入例

年スタジアム方式
2017年7月Jリーグが、翌シーズンからホームスタジアムのピッチへの打ち込み式の導入を承認打ち込み式
2017年7月以降ヴィッセル神戸のノエビアスタジアム神戸(御崎公園球技場)が第1号。国内のスタジアムのピッチ内への初の導入打ち込み式
2018年日産スタジアム(横浜国際総合競技場)カーペット式
2019年味の素スタジアム(東京スタジアム)打ち込み式
2019年大分スポーツ公園総合競技場(現・レゾナックドーム大分)カーペット式
年の記載なし釜石鵜住居復興スタジアム人工繊維補強式

これらのスタジアムの多くは、2019年のラグビーワールドカップでも使われました。ピッチの強さは、サッカーだけでなく、ほかの競技やイベントでも生かされています。

天然芝・人工芝・ハイブリッド芝を比べる

種類芝の素材手入れの考え方
天然芝すべて天然の芝水やり、肥料、芝刈りなどを続ける。踏まれる力には弱く、傷みやすい
人工芝すべて人工の素材芝の育成は不要。天然芝とは別の手入れが必要
ハイブリッド芝天然芝に、約5%以下の人工芝や人工繊維を加える日常の管理は、天然芝とほぼ同じ。補強により、踏まれる力への強さが増す

つまり、ハイブリッド芝は、天然芝と人工芝の「中間」というより、天然芝をベースに、必要な部分だけを人工素材で補強したものと考えると、イメージしやすくなります。

ハイブリッド芝が注目される背景

スタジアムのピッチは、サッカーの試合だけで使われるわけではありません。たとえば、2019年のラグビーワールドカップでは、ハイブリッド芝を導入した多くのスタジアムが会場になりました。試合数が多かったり、複数の競技やイベントに使われたりするスタジアムでは、芝の耐久性が重要になります。

ただし、ハイブリッド芝を導入すれば、芝が傷まなくなるわけではありません。天然芝の育つ環境が整っていることが前提で、イベント機材などの重さによるダメージも変わりません。導入しても、日々の管理が欠かせない点は、覚えておきたいところです。

導入の流れを時系列でたどる

日本での広がりを順番に並べると、まず2017年7月に、Jリーグが打ち込み式の導入を承認しました。そして、国内で初めてピッチの中に導入されたのが、ヴィッセル神戸のホームスタジアムです。続いて、2018年に日産スタジアムがカーペット式に張り替えられ、2019年には、味の素スタジアムが打ち込み式に、大分のスタジアムがカーペット式に改修されました。

このように、スタジアムごとに、採用する方式は異なります。同じ「ハイブリッド芝」でも、仕組みが違うことを知っておくと、スタジアムの紹介記事も読みやすくなります。

用語メモ

  • 打ち込み式:天然芝に、人工繊維を打ち込む方式。「ステッチ式」とも呼ばれる
  • カーペット式:人工芝のカーペットに、砂と種を重ねて芝を育てる方式
  • 人工繊維補強式:砂などに繊維を混ぜた基盤に、芝の種をまく方式
  • 排水性:ピッチにたまった水が、地面の下へ抜けやすいかどうかの性質

観戦で気づけるポイント

  • スタジアムの公式サイトや案内で、ピッチの芝の種類が紹介されていることがある
  • ゴール前やセンターサークルなど、芝が傷みやすい場所の状態を、試合前後で見比べてみる
  • コンサートなどのイベント後に、ピッチがどう整えられているかにも注目する

球場の芝の違いは、野球でも話題になります。MLB球場ガイドやエスコンフィールド北海道の特徴とおすすめポイントも参考になります。

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よくある質問

Q. ハイブリッド芝は、人工芝ですか。

いいえ。ピッチの上に出ているのは天然の芝です。人工の繊維などが、全体の約5%以下の割合で、補強のために入っています。

Q. 手入れは楽になりますか。

日常の維持管理は、天然芝とほぼ同じです。方式によっては、排水がよくなりすぎて、散水や施肥の回数が増えることもあります。

Q. どの方式がいちばん優れていますか。

一概には言えません。打ち込み式は踏みつけに強く、カーペット式は早く使え、人工繊維補強式は保水力があるなど、強みが違います。スタジアムの環境に合わせて選ばれます。

Q. ほかの競技でも使われますか。

2019年のラグビーワールドカップの会場には、ハイブリッド芝を導入したスタジアムの多くが使われました。サッカー以外の競技でも、耐久性が求められる場面で活用されています。

まとめ|天然芝を、人工の力で支えるしくみ

ハイブリッド芝は、天然芝に、約5%以下の人工素材を加えて、ピッチを強くする仕組みです。方式は3つあり、日本では2017年の承認以降、神戸、日産スタジアム、味の素スタジアムなどに広がりました。次にスタジアムへ行ったら、ピッチの芝にも注目してみてください。

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