結論から言うと、ABSチャレンジシステムは「ボール・ストライクの判定に、投手・捕手・打者が1試合に各チーム2回まで異議を出せる、ロボット審判の判定制度」です。MLBは2025年9月23日に、2026年のオープン戦、レギュラーシーズン、ポストシーズンのすべての試合で使うと発表しました。
主審が判定する従来のスタイルを残しながら、ストライクゾーンの機械判定で「間違いを正せる」仕組みです。この記事では、MLB公式の発表内容をもとに、チャレンジの回数、できる人、ストライクゾーンの定義を整理します。
※制度の運用は変更されることがあります。この記事は、MLB公式の発表(2025年9月23日)にもとづいています。シーズン中の運用実績や最新の細則は、MLB公式サイトでご確認ください。
ABSチャレンジシステムとは?
ABSは「Automated Ball-Strike(自動ボール・ストライク)」の略です。主審がボール・ストライクを判定するのは従来どおりですが、判定に納得できない選手が、機械による判定を求められる仕組みです。完全に審判を置き換える「全面ロボット審判」ではなく、「チャレンジ制」と呼ばれる形です。
| 項目 | 内容(MLB公式の発表より) |
|---|---|
| 発表日 | 2025年9月23日 |
| 使用時期 | 2026年のオープン戦、レギュラーシーズン、ポストシーズンのすべての試合 |
| チャレンジできる人 | 投手、捕手、打者のみ(ベンチの監督やコーチは対象外) |
| 対象 | 審判のボール・ストライクの判定 |
| 回数 | 各チーム1試合2回から開始。成功したチャレンジは保持される |
| 結果の表示 | スコアボードと放送に表示される |
誰が・何回チャレンジできる?
- チャレンジできるのは、投手・捕手・打者の3者だけ
- 各チームは、1試合につき2回のチャレンジ権からスタートする
- チャレンジが成功した場合は、権利は減らずに保持される(失敗したときだけ減る)
- 延長戦では、その回の開始時にチャレンジ権が残っていないチームに、1回が与えられる
「成功したら残る」というルールのため、「自信がある判定だけ使う」という戦略が生まれます。たとえば、1回失敗してもあと1回残り、次の1球は成功すれば保持できる、という使い方です。
ストライクゾーンはどう決まる?
ABSでは、ホームプレートの上に置かれた「二次元の長方形」がストライクゾーンです。立体的なゾーンではなく、ホームプレートの真ん中の位置にあるフレームとして計算されます。
| 項目 | 定義 |
|---|---|
| 横幅 | ホームプレートの幅(17インチ) |
| 上端 | 打者の身長の53.5% |
| 下端 | 打者の身長の27% |
| ストライクの条件 | ボールのどの部分でも、ゾーンのどの部分かに触れていればストライク |
| 打者の身長 | MLBが公式に認定する |
「ボールのどの部分でも触れていればストライク」という点は、従来の「ボールの一部がゾーンにかかればストライク」という考え方と同じです。ただし、ゾーンの高さが打者ごとの身長で決まるため、背の高い打者と低い打者でゾーンの位置が変わります。
ストライクゾーンの計算例
公式の定義にもとづくと、ゾーンの上端と下端は打者の身長から計算できます。たとえば、身長が72インチ(約183cm)の打者の場合は、次のようになります(あくまで定義にもとづく計算例です)。
| 項目 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 上端 | 72インチ × 53.5% | 約38.5インチ |
| 下端 | 72インチ × 27% | 約19.4インチ |
| 高さ | 約38.5 − 約19.4 | 約19.1インチ |
| 横幅 | ホームプレートの幅 | 17インチ |
このように、身長が高いほどゾーンの位置は高く、広くなります。反対に、身長が低い打者はゾーンが低く、狭くなります。選手の身長は、MLBが公式に認定した数値が使われます。
用語を整理
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| ABS | Automated Ball-Strike。ボール・ストライクの自動判定システム |
| チャレンジ | 審判のボール・ストライク判定に異議を申し立てること |
| 二次元のゾーン | 奥行きを考えず、ホームプレートの中央位置にある長方形のゾーン |
| ストライクゾーン | ボールがストライクと判定される範囲 |
観戦で見るときのポイント
- 打者が自分の頭をトントンとたたくしぐさ:チャレンジの合図として使われることが多い
- 結果は場内ビジョンや中継で表示される:判定が覆ると、スタンドが盛り上がる
- チャレンジの残り回数は、終盤の接戦ほど重要になる
- 捕手のフレーミング(捕球の技術)の価値は、チャレンジで見直される可能性がある
チャレンジの具体的な手順(合図の出し方や制限時間など)は、確認できた公式の発表文には書かれていませんでした。詳しい運用は、MLBの公式サイトで確認してください。
チャレンジ回数の考え方(ルールからの整理)
「成功したら残り、失敗したら減る」というルールから、次のような場面が考えられます。これは公式の発表文のルールをもとにした整理で、実際の運用実績ではありません。
| 状況 | チャレンジ権の変化 |
|---|---|
| 1回目が成功 | 2回のまま(保持される) |
| 1回目が失敗 | 残り1回 |
| 2回とも失敗 | 0回。以降はチャレンジできない |
| 延長に入ったとき、残りが0のチーム | その回の開始時に1回が与えられる |
終盤の接戦で、重要な1球にチャレンジ権を残しておくか、序盤で使うかは、選手の判断になります。観戦中は、残りのチャレンジ数にも注目すると、試合の見方が広がります。
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NPBとの違い:日本ではどうなる?
NPBでは、確認できた範囲の公式情報に、ABSチャレンジ導入の発表はありません。MLBとNPBの制度の違いは、MLBとプロ野球(NPB)の違いで整理しています。日本の選手がMLBで経験する新しいルールとして、日本の野球ファンにも注目されています。
従来の審判判定との関係
ABSは、主審の判定を廃止する制度ではありません。主審は従来どおりボール・ストライクを判定し、選手が異議を出したときだけ機械の判定が使われます。そのため、ほとんどの投球は、これまでどおり主審の判定でプレーが進みます。
よくある疑問
Q. ロボット審判が全部判定するようになった?
いいえ。主審が判定する従来のスタイルは残り、選手がチャレンジしたときだけ機械が判定します。
Q. 監督はチャレンジできる?
MLB公式の発表では、チャレンジできるのは投手、捕手、打者のみです。
Q. 延長戦ではチャレンジ権はどうなる?
その回の開始時にチャレンジ権が残っていないチームに、1回が与えられます。
Q. ポストシーズンでも使う?
2026年のオープン戦、レギュラーシーズン、ポストシーズンのすべての試合で使うと発表されています。
MLBの観戦をこれから楽しみたい人へ
MLBの球団や地区の見方は、MLBの30球団と地区の見方で解説しています。ABSチャレンジは、試合の見方を少し変える仕組みです。球審の判定とチャレンジの結果を、あわせて楽しんでみてください。
この記事で確認できていないこと
- シーズン中の実際のチャレンジ成功率や運用実績
- 審判や選手の評価
- NPBでの導入予定
まとめ
- ABSチャレンジは、投手・捕手・打者が、ボール・ストライクの判定にチャレンジできる制度
- 各チーム2回から開始し、成功したチャレンジは保持される
- ストライクゾーンは、ホームプレートの幅で、上端が身長の53.5%、下端が27%の二次元の長方形
- 2026年のオープン戦、レギュラーシーズン、ポストシーズンで使用される
参考にした情報
- MLB公式:ABS Challenge System coming to the Major Leagues beginning in the 2026 season(2025年9月23日)
※最新の運用は、MLB公式サイトでご確認ください。


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